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自社施工について |
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お客様からよくされる質問の一つに、「○○の工事は自社でされるのですか、それとも下請業者に依頼されるのですか」というのがあります。これは気持ちは、とてもよくわかるのです。私もお客様の立場であれば、自分の手を使う人に直接支払いたいと思うのです。しかし、現実的にはお客様と契約を結ぶほとんどの会社は、大部分の仕事を下請業者にまかせることになります。このことについて、工務店の立場からお話をさせていただきたいと思います。
みなさん、家を一軒新築するのに何種類の専門業者が必要かご存知でしょうか?大工さんをはじめ、電気屋・水道屋・屋根屋・タイル屋等、30種類以上の専門業者が必要で、数え方によれば、40業種を超えてきます。「全ての工事を大工さんがする」と信じていらっしゃるかのような方も、少なくはないのですが、なかなかそうもいきません。
他能工という言葉もありますが、専門性が落ちてくると、施工能力も落ちてきます。これまで、たくさんの職人さんと接してきましたが、「あれもこれも自分でできる」という人は、残念ながらどれも中途半端で、本当の意味での専門がありません。私も自分の利益を確保する目的で、過去に自分自身で屋根を葺いたり、塗装をしたり、水道の配管までしたりしたこともありますが、結果的には自己満足で終わったように思います。やはり「もちはもちや」だなと、私も大工仕事に専念するようになりました。工事に真面目に取り組んでいる会社ほど、多能工はあまり使わないと思います。
(といいつつも、当社では簡易な大工仕事は全員にトレーニングしています。大工仕事は現場全体の基本であり、これがわからないと良い営業マンにも良い現場管理者にもなれない、という私のポリシーがあるからです。私が過去に出会った良い現場管理者は、みな大工あがりでした。)
ではつぎに、自社でそれだけの職人をかかえることが出来るかといえば、それは不可能です。一業種に一人ですむものもありますが、3人ぐらいはいないと具合の悪い業種もあります。つきつめると、60人程度は職人が必要になり、それを自社でかかえるという発想はどこの工務店にもありません。
それは大手も同様で、大手ほどかえって大工の一人も在籍せず、社員は全て営業か事務で、職人仕事は全て外注というのが実際の姿です。
「でも、そんなに下請けが多いと高くなるのでは?」とご心配の向きもあるようですが、それはかえって安い可能性もあります。一概には言えません。当然、営利事業ですから、いくぶんの利益をのせて見積もりさせていただくことになるのですが、下請業者がいちげんのお客様と、コンスタントに仕事をだす元請会社とは同じ金額では請け負いません。
先日もこんなことがありました。外壁塗装と屋上の防水工事の見積もりをさせていただいたのですが、お客様は当社と塗装工事店との相見積もりをおとりになりました。少し大きな建物で仕様も良いものだったのですが、当社の方が約40万円程度安かったそうです。総額が350万円ですので1割強の違いでした。
これは特殊なケースではありません。程度の差こそあれよく発生することです。少し考えて欲しいのですが、家電量販店がエアコンを2台買ってくれたお客様に対し、2台目をうんと安くしたりしています。自動車を買うときでも、あなたがもし2台同時に買うとして、まとまった値引きを要求しませんか?その意味で元請業者は下請業者からみて優良顧客なのです。それも件数がまとまるだけではなく、見積もりの手間がない、集金は一ケ月分まとめて数件分を振り込んでくれる。つまりいちげんのお客様に比べ経費もかからない。ここに、値段のカラクリがあります。
結論を言うと、全て自社施工という会社は(クロス工事以外はしないとかいう専門業種は別)ていさいを繕うウソつきだと言えます。また金額的にもたいして変わらないので、その意味では自社施工の会社をさがすことにあまり意味はありません。
しかし矛盾するようですが、当社は自社施工比率が高いことを売り物にしています。大工・電気・ガス・水道が自前で出来る会社は、私の知る限り当社以外にありません。でもこのパッケージは工事において非常に有利なのです。工事の段取りは組みやすく、アフターも対応しやすい。当社の勝利の方程式です。 |
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値引きについて |
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商取引は交渉ごとですから、値引きの要請は日々発生します。会社により色々なスタイルがあり、高めに見積書をつくっておいて、「これだけ値引きさせていただきます」と持っていくパターンで営業しているところも多いようです。よくテレビでも見ますが、「今、決めてくれたら300万の工事を200万にしてあげる」等等。どんな見積もりやねん!まあ、まともな会社の見積もりではありません。当社では、最初から欲しいだけの見積もりしか作りませんので、大きな値引きはできません。このへんの工務店の立場をお話したいと思います。
お客様が「もうちょっと勉強してもらえませんか?」と値交渉に入るときは、10%や20%といった単位で考えておられるようです。おそらく、10%の値引きをしてもらうということは、工務店に「儲けを10%我慢してください」と言っている感覚で話をされていると思うのです。
ところがどっこい工務店の受ける印象は全く異なります。「1割でいいからまけて」とお願いされることは、「儲けの半分をあきらめて」と言われることと同じ意味なのです。なぜ、そんなことになるのかと申しますと、一般的に建築工事における粗利益は工事代金の20%ぐらいです。少し高めの設定をしている会社でも30%が限度でしょう。
それがどうしたと言われそうですが、工事代金を10%まけても、20%まけても基本的にかかる費用は一緒なのです。つまり10%の値引きは20%の利益を10%へと半減させ、20%の値引きは20%の利益をただ仕事にしてしまいます。どこの工務店でも仕入価格はぎりぎりまで管理され、「この現場、値引きしたから、うちもまけといて」は通りません。材木屋や建材屋に支払う金額は変わらないのです。まして当社のように社員で多くの工事を行う会社はコントロールの余地がありません。
また、外注に出している工事も同じことです。各業者も材料の仕入は変わりませんので、「ここだけ何とかして」のトークで変わる金額もしれています。私も時として、自分の身を守るために「きつい依頼」をすることもありますが、そうそう使える手ではありません。
お客様にとっては「1割ぐらいは何でもないだろう」という感覚だと思うのですが、もし利益を半分にするということを理解していただければ、そんなに気軽に出てくる数字ではないと思います。
つまり真面目に取り組んでいる会社ほど、値引きにガードが固いもので、提出した見積書から平気で2割3割と値引きをのむ会社は何かおかしいと思うのです。しかし、中には「そんな風にした方が、商売が上手いで」と私に忠告してくれたお客様もおりました。私とは考え方が違うので、見積書を作ることは断りました。 |
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日程について |
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工務店にとって一番ありがたい言葉は、「うちはいつでもよろしいから、おたくの都合のいい時にやってください」という一言です。工務店にとってスケジュール管理は非常に重要な問題です。現場が重なると、自社でできる仕事でも応援の大工を呼んでしのがないといけませんし、さんざん応援を呼んで一息ついたら現場も空いて、今度は社員を遊ばせたりすることがあります。これは収益に大きく影響する問題なのです。
ところが、お客様にもそれぞれ事情があり、「○日から○日の間で終わらせてください」という依頼も多いのです。そしてお客様の都合で段取りを組み立てていくと、同時に何件も重なったり、1件程度でのんびりしたりします。しかし、これは工務店にとっては必要悪なのでとやかくいうことはできません。
だから好きなときにやってください、と言ってくださるお客様は神様のようです。「釘の1本でも多い目に打っとこか」となりますし、ちょっとの追加なら、「それぐらいサービスしときますよ」となることは請け合います。
上手な値交渉をするお客様は、「いつ来てくれてもいいから、ちょっとは勉強してや」などとおっしゃることがあります。こういう言葉を聞くと、こちらの立場を見透かされているようで、緊張感が走るとともに、「もののわかったお客様やから、うかつなことは出来ん」と気合が入ったりします。もちろん誰に対しても手を抜いたりするわけではありませんが、やはりこちらも人間ですのでお客様の反応により心構えが変わります。 |
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手抜きについて |
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よくお客様から、「前に工事をしてくれた○○さんのところは、手を抜かれたからイヤになった」といった旨の話をうかがいますが、それは絶対にありません。最初からだますつもりの悪徳業者は別として、普通にやっている会社には「手抜き」ということはありません。施工ミスはあります。「無い!」という人はウソつきです。プロ野球選手でもエラーするし、弘法も筆を誤ります。一流自動車メーカーでもリコールが発生するし、工務店も手直し工事が発生します。でもそれはわざとではない。あくまでもエラーです。
職人はみんないい仕事がしたいのです。手を抜きたい職人なんて一人もいない。でも色々な事情もあります。例えば、「手抜きされた」という人に限って、よくよく聞いてみるときつい値切りをしています。本来、5日程度の日当をあてこんでいるところへ4日分程度の工賃でやってくれとなった時に、やはり職人はついつい急ぎます。家族を養わないといけないのだから、その気持ちはよくわかります。しかし、このために自然とミスが発生しやすい状況が生まれています。この職人を責められるのでしょうか?当然、注意をしなければいけないし、手直しもしてもらわないといけない。でもその根源はどこにあるのでしょうか。
この例は一例です。全ての施工ミスがこういうわけで起こっているのではありません。もちろん、単純な施工ミス・凡ミスもあります。でもあくまでもミスであって手抜きではないと言いたいのです。みなさんは、自分の仕事でミスをしたことがないのでしょうか。もちろん、失敗はあたりまえなどと開き直る気持ちはありません。常にベストを目指す気持ちに変わりはありません。
ただ、手直しをして誠実に対応している限りにおいて、「手抜き」などと言って欲しくないのです。
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