「瓦のずれを直す」「台風でも飛ばないようにする」と、瓦一枚一枚を専用のコーキングで固定していく工事がありますが、これほどバカバカしい工事も少ないと思います。先に断っておくと、まともな屋根職人や屋根業者はこんな仕事はやりません。だいたいは屋根工事の知識のない者、もっと言えば漆喰の塗り方一つ知らない職人が行う工事です。
まず、一番この工事で問題なのは、普通、屋根工事は瓦もかなり傷んでから行うと思うのですが、その瓦の傷み自体は全く直らないということです。瓦の傷みは「凍て」という言葉に表されますが、要するに雨水をはじく力が弱くなったことから劣化が進行している状態のことです。この「凍て」が進行すると瓦は、ほっといても割れ始めます。それほど劣化の進んだ瓦をコーキングで止めても仕方が無いと思います。
メンテナンスになりえるのは、塗装工事です。瓦を塗装することによって、瓦が本来持っている雨水をはじく力を補ってあげようという考え方です。もちろん専用の塗料があります。しかし、すでに「凍て」が一定のところまで進行している場合は、もうさわらずに放っておいて、時期を待ち「葺き替え」にした方が良いと思います。
さらに補足すると、瓦が飛ぶほどの台風がどれくらい来るのでしょうか。沖縄はいざ知らず、私の本拠の奈良ではかなり低い確率だと思います。万一、飛んでから修繕してもコーキング止めの工事よりよほど安くつくと思います。
同様に瓦のずれを直すような技術は、この工事を行うものには無く、結局ただベタベタと止めるだけです。また、本当にわざわざ直さないといけないほどずれているのなら、もう葺き替えたほうがいいです。
この工事も前述の工事と同じく、「悪徳業者のための工事」と言っても差し支えないと思いますが、中には不勉強なだけで本質的には真面目な業者もいますから、「悪徳」と言うよりは「劣悪」と言ってあげた方が良いかとも思います。 |