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化学物質過敏症の予防の時間

「化学物質過敏症は体質じゃなくてキャパの問題」  

 化学物質過敏症とは空気中に浮遊している化学物質を吸い込んだ時に、めまいや頭痛、鼻水、吐き気など様々な体調不良が起こる病気のことです。これは体質だと思われがちですが、実は体質よりもむしろ体のキャパの問題なのです。

体が受け入れることのできる化学物質の量は決まっている   

 VOCと総称される化学物質は人の体に有害なものではありますが、そのへんはさすがに人間はたいしたもので、ちょっとぐらいの化学物質が体内に入ってもどうってことはありません。ただ、ここで覚えておいていただきたいのは一度人の体内に入ってしまった化学物質はたまる一方で減ることがないということです。

 現代の医学、科学をもってしても体内に入った化学物質を取り出したり、無くしたりすることができません。そして化学物質を受け入れることができる量には個人差があって、そのキャパを超えると、次から化学物質にふれるたびに症状が出てくることになります。

 体の中に化学物質を受け入れることができるコップがあるイメージです。コップの残量に余裕がある間は問題ありませんが、満タンになってあふれてくるとそれがシックハウスの症状になって現れます。そのコップの大きさには個人差があってコップの小さな人は比較的はやく満タンになり、シックハウスに苦しんでいらっしゃいます。

 コップの大きな人は「私はシックハウスなんて大丈夫」と思っていますが、実は自分のコップのどこまで化学物質がたまってきているか誰にもわかりません。嫌なことを言って申し訳ないのですが、ひょっとしたら、9割がたうまってきていて近いうちに満タンになって自分もシックハウスの症状が出始めるかもしれません。

 ですから、今、健康でシックハウスなんて気にしなくてすんでいる方ほど、自分のコップのキャパを使い切らないように注意していただきたいと思います。化学物質過敏症は一度なってしまうと治らないのです。それがこの病気の一番こわいところです。

化学物質は何からでも出る   
 化学物質は人間が作ったモノであれば何からでも出ます。特に家を新築すると100種類以上の化学物質が出ると言います。厚生労働省はその中でも特に有害であろうと認められる5物質の測定をすすめています。特にホルムアルデヒドは有名なのでみなさんもご存じかと思います。なぜ、ホルムアルデヒドが特にマークされているのかと言うと、いつまでも出続けるからです。

 他の化学物質は3年から5年もするとほとんど出なくなりますが、ホルムアルデヒドだけは10年や20年ぐらいは出続けるそうです。だから他の化学物質よりも厳しく規制されています。みなさん、車で新車にお乗りになったことがあるかと思いますが、新車特有の匂いってやつがありますでしょう?ざっくり言うとあれが化学物質の匂いです。でも数年もしたら匂わなくなるでしょう?それは化学物質も出尽くしたと思っていただいていいかと思います。

シックハウスのきっかけはリフォームや新築が多い  

 ある意味で当たり前かもしれませんが、シックハウスはリフォームや新築がきっかけになって発症することがほとんどかと思います。その新車の匂いを一日中吸うことを想像してみてください。少しげっそりされるかもしれません。家は車よりも空間が広いので体感としての匂いはだいぶマシだとは思いますが理屈は一緒なんです。ちなみにシックハウスほど知られてはいませんが、シックカーという言葉もあります。

 それまでに自分の気づいていないところで化学物質のコップの自分のキャパに近いところまで来ていた人がリフォームや新築をきっかけにして、一気に満タンになってあふれはじめてシックハウスが発症するわけです。ですから、ここで強く申し上げたいことは、リフォームや新築を考える時には「私も家族もシックハウスなんて関係がない」なんて思わずに、「そうならないように備えよう」と考えていただきたいと思います。

 少なくとも、自然素材を中心にした仕様にしていただきたいと思いますし、望むべくなら、みなさんとみなさんの家族のために抗酸化住宅や電磁波対策をしたリフォームや新築を計画していただきたいなと思います。

化学物質過敏症と電磁波過敏症は同じ病気     

 実は化学物質過敏症と電磁波過敏症は私に言わせると同じものです。どっちが先に気になるかだけの違いで、どちらかが発症するとタイムラグはあっても、必ずもう一方も発症するからです。ですから、身の回りの化学物質を減らそうとすることは電磁波過敏症の予防になり、電磁波の影響を軽減しようとすることは化学物質過敏症の予防になります。ちなみに電磁波の影響も体に蓄積します。これも化学物質が体から抜けないのと同じです。

予防の方法
 
 具体的な予防の方法としては、まず住宅でシックハウス対策、電磁波対策を行うということ。これが一番大切です。ぜひ、そういうことがわかる、また出来る、工務店で相談してください。次に生活習慣としてできることがあります。逆説的になりますが、いま化学物質過敏症、電磁波過敏症の方が身を守るために行っていることを行い、しないことをしなければいいのではないかと思います。

 化学物質過敏症の方はやはりまず室内の換気をしっかりとする。そして防虫剤や芳香剤、消臭剤などはできるだけ使わない。整髪料や香水、化粧品の類も使用を控える。食品もできるだけ添加物のすくないものをとる、服などもできるだけ天然素材のものを選び、あまり新しいものを欲しがらないということを日常的にされていらっしゃいます。

 私がこれまで相談を受けた方で一番気を使っていらっしゃった方は「新しい家具などを購入したらベランダで一週間は天日干ししてから使う」とおっしゃっていました。たしかに化学物質は抜けやすくなりますので、理にかなっているかと思います。一週間天日干しすると匂いが全く違うそうです。

予防の方法

 電磁波過敏症の方がされていらっしゃる対策は心理的にやりにくいことも多いと思いますが紹介はしておきます。それは無理!とおっしゃる方も多いかと思いますがスマホは使わないようにされています。気分が悪くなって持てないそうです。ガラケーならなんとか使えるそうです。Wifiも極力使わない、電波で気分が悪くなるそうです。いま話題の5Gなんてもってのほかです。

 基本的なところでは、ドライヤーもできるだけ使わない、電気毛布やホットカーペットなども使わない、電子レンジを使うときは離れる、などといったところですが、私がおすすめしたいのはベッドの場所、ふとんを敷く場所をコンセントから遠ざけるということです。電磁波は距離が問題なので電磁波を発するものからできるだけ離れるというのがセオリーです。ちなみに家電製品や照明、スイッチ、コンセント程度の電磁波であれば1mも離れると大丈夫です。2mで完璧ですかね。

 化学物質過敏症も電磁波過敏症もポイントは蓄積ですから、すでに症状が出ていらっしゃる方の生活様式を少しずつでも取り入れていくことは、私は予防の対策になると思います。もちろん、住宅で対策をするのが一番おすすめです。

シックハウスの事例紹介  

 最後に一つだけシックハウスの事例を紹介いたします。奈良市の40代の女性ですがA様としておきます。A様は2013年12月に奈良市でリフォーム済の中古住宅を購入し入居されました。入居後一ヶ月ちょっとで、頭痛、めまい、気分が悪い等の症状を自覚されたのですが、最初はシックハウスだと思わず「どうしてしんどいのかわからなかった」そうです。ただ、同じ家の中でもいつも症状が軽い場所と重い場所があり「ひょっとして家が原因じゃないかと考え始めた」そうです。

 この時点で、スーパーの買い物袋が顔に近づくと気分が悪くなり、テレビをつけても気分が悪くなったそうです。つまり気が付いたら電磁波過敏症も発症し、スマホが持てなくなりました。どんどん進行して家に入ることもできなくなり、お身内の家に居候になったとのこと。2014年4月に相談を受け、5月に対策工事をしてなんとか家には入ることができるようになりましたが、やはり化学物質や電磁波にふれるたびに気分が悪くなることは変わらず、「こんなことになるとは思ってなかった」とおっしゃっていました。

 以前は自然素材とか化学物質とか気にするのは一部の人のことで自分には関係ないと思っていたそうです。このように全く気にされていなかった人がリフォームや新築をきっかけにシックハウスになってしまうことは本当に多いのです。ちなみにこの時のリフォームは特別粗悪なリフォームでもなく、いたって普通のリフォームでした。

 

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