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耐震診断の評点の見方の時間

 耐震診断を受けて、結果にがっかりされたり、補強提案の説明にもう一つ納得がいかないというかピンとこない、そんな経験はありませんか?「本当にそんなに大がかりな補強がこの家に必要なのか?」「私はそんなに危ない家に住んでいるのか」といった印象を持たれたことのある方も多いかと思います。

 耐震診断の本当の数字を読み込むというか、本当に必要な補強に置き換えるためにはマニュアルには載っていない経験や知識、言い換えると知性と良識が必要なのです。今日は耐震診断の結果にいたずらに不安にならなくてもよいということを、専門用語や知識のない方でも理解できるようにお話します。

耐震診断の壁量は4つの数字がでてくる  


 耐震診断は簡単に言うと壁量、強さを持った壁が必要な量に対してどれぐらいあるかという数字です。屋根が重いとか軽いとかの違いを考慮したうえで、床面積から必要な壁の量が決まり、それをぴったりみたしたら1.00というわけです。当然、1.0以上が望ましいわけです。ですからこの数字が0.71ということは必要な壁の量が3割ほど足りないという意味になります。

 その壁量とは壁の中に筋かいが入っているかなど、どんな強さの壁がどれだけの長さであるかという合計の数字ですが、それは単に壁の量の計算のみではなく、色々な耐震要素の状況によって低減されたり、必要な壁量が増やされたりします。

 例えば「著しく軟弱な地盤」では必要な壁量を1.5倍にしないといけませんし、基礎のクラックや柱の接合方法によっては壁量を少なく見積もったり、劣化がすすんでいると判断されたら実際の壁量を7掛けにしたりしますので、この壁量という数字は単純に壁の量ではなく、トータルで耐震性を判断していると考えてくださって結構です。

 この壁量の数字はひとつの建物で4つの数字がでてきます。一階と二階でそれぞれ縦方向(Y方向)と横方向(X方向)で数字が出てくるのです。その建物の耐震診断の評点はこの4つの数字の平均とかではなく、一番悪い数字が選ばれるというルールになっています。実はこれが一番のミソなんです。

二階の数字はあまり気にしなくてよい

 その一番低い数字が一階のXかYかのどちらかならそのままの評価でいいのですが、もし二階の数字であればあまり気にせずに一階の数字だけを見ていればいいと思います。地震で家が倒壊するときは必ず一階がつぶれるからです。地震で家が倒れる時は一階がつぶれて二階がそのまま残っているというのが一般的です。一階二階とも完全につぶれているのもめったに見ませんし、一階が無事に残って二階だけつぶれたという家を見たことがありません。つまり耐震補強は一階だけすればよく、二階はリフォームのついでにやっておくぐらいで大丈夫です。

必ずしも1.0以上を目指す必要はない  

 これを言うと怒られると思いますが、私はそもそもたとえ一階だけであっても、必ずしも1.0以上を目指さなくても良いと考えています。私は2002年から耐震補強事業に携わっていますが、「自分が勉強してきた耐震診断や耐震補強の理論が正しいか確かめたい」という強い想いにかられて、2007年に能登半島地震、新潟中越沖地震と二度の大きな震災のボランティアとして社員を連れて現地入りしました。

 もちろん、実際のボランティア活動も一生懸命にやったのですが、それ以上に倒壊した家や残った家を研究するように見てきました。不謹慎で申し訳ありませんでしたが、世の中の役に立てる気構えでしたのでお許しいただきたいと思います。その当時で私はそこそこ耐震診断をこなしておりましたので、いわゆる体感耐震とでも言うような感覚が宿りつつありました。つまり、パソコンのソフトで計算をしなくても、家を眺めてたらなんとなく耐震診断の結果の数字が予測できるといった感覚です。手前味噌で恐縮ですが結構正確でした。

 それがですね、被災地を見ていて驚くことに、私の感覚では耐震強度が0.4~0.6ぐらいしかないように見える家が結構何事もなく残ってるんです。どちらも震度6強だったのですが、私には逆に「家って簡単につぶれないんだ」と感じられました。異論のある方も多いと思います、でも私は体で感じたんです。「これぐらいの家でもつぶれないんだ」と。失礼ないい方でごめんなさい。

これには根拠も一つあります。耐震補強の補助金も基本的には耐震強度1.0未満のものを1.0以上にしないと補助対象にならないのですが、自治体によっては0.7未満の建物を0.3以上上げて0.7以上にする補強工事でも補助金がでるところもあります。これって、1.0を切ったら文句なしにダメじゃないというか、0.7以上にすることによっても、一定の耐震補強の効果があると自治体が認めていると考えてもいいと思います。
 つまり、ご予算のことや、今回この部屋はさわりたくないとかいろいろな事情があるかと思います。その事情をくんで、結果的に1.0をクリアできなくても、せめて現状よりは0.3以上あげる、または0.7以上にする、どちらかで終わったとしてもそれも立派な耐震補強じゃないでしょうか、私はそう思います。もちろん1.0以上が望ましいのですが、0.7でもそんなに簡単には倒れません。リフォームをされる時には、できる範囲でできる補強がしたいものです。

老朽度の低減率も気にしない 
 これも怒られそうですが、老朽度の低減によって評価が低くなっているケースも内容によりですがあまり気にしなくていいと思います。内容によりですがと申し上げたのは、床に傾きがあるとか、シロアリの跡があるとか、確かに耐震強度に大きな影響のある内容もあるのですが、中には樋が変色してるとかずれているとか、直接、耐震強度に関係のない項目もありますし、床鳴りがあるとか、単に経年劣化というだけで、耐震にも関係なく簡単に直すことができるものまで含まれていますので、「これで減点が大きくなって壁が全然足りない」というのも私は少しおかしいと思います。

 それで耐震診断の評点をあげるために浴室のタイルをめくって貼り直しましょうなんて提案をされたら、正直なところ意味がよくわかりません。お風呂のタイルを貼り直して地震に強くなるわけがありません。私が耐震診断をするときは簡単なことでは老朽度の低減をかけません。いたずらに脅かすようなことになってはいけないと思うからです。もちろん、必要なメンテナンスなどは別途コメントいたします。

耐震を軽視するのではなくリーズナブルに考える  

 ここまで読んで、もし、私が耐震を軽視しても良いと言ってるとお感じになられたらそれは誤解です。私はむしろ世間のリフォーム屋さんや工務店にもっと耐震を大切にしてくださいと申し上げたいぐらいです。それは耐震診断もせずに、言い換えると壁量の計算もせずに、安易に壁を撤去するリフォームをされる会社もいまだになくならないからです。リフォームの提案や見積りをするときには必ず耐震診断をして必要な補強をしていただきたいと思います。

 私が申し上げているのは、耐震診断の結果からリフォームや補強を考える時に、単純に表に出ている数字だけを考えるのではなく、どういう理由でそんな数字が出ているのか、本当にその数字を改善することに意味はあるのかといったことを考えて、何が何でも1.0以上にしないといけないといったような杓子定規な考え方をしないようにしましょうということです。

動画でもご覧ください
https://www.youtube.com/watch?v=3qMbYOv3Xgs

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