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施主支給と分離発注の時間

「施主支給とは」
 施主支給とは施主が自分で購入したり、持っていたパーツや建材などを工務店に支給して施工してもらうことです。施主が自分で現場に搬入します。当然のことながら、施主支給は工務店の利益を減らすことになりますし、様々な調整が必要になってきますので、施主支給の要望に対してどこまで対応するかは工務店によってまちまちです。

施主支給の意味と目的 
 施主支給とはコスト削減を目的として、設備や建材の発注業務や支払いを工務店の代わりに務めるということです。上手に買うことができたらコストが安くなるかもしれませんが、発注や段取りの代わりを務めるということは、工務店が担う手間とリスクを背負うということになります。

 手間がかかることは当然のこととして、基本的に品物の選定も自分でするわけですから、サイズや形状など不適切なものを発注してしまった時は、その無駄になった費用は自分が持つことになります。これがリスクですが、正直なところタマにあります。

 施主支給には新たにものを購入するだけではなくて、お施主様がもともと持っていらっしゃるものを使うということもあります。これはお気持ちもよくわかりますし、本来の施主支給と言うのはこういうことかなと思います。
 
つまるところ施主支給とは、別口での支払いや納期の調整などの手間をかけて一定のリスクをとっていくら費用を浮かせることができるか、バランスの判断だと言えます。当然、その許容範囲には個人差があります。「これぐらいの金額やったら一緒に頼んだほうがいいかな」とか「これだけ浮くんやったらそれぐらいするで」といった感じです。もちろんお金以外の目的もあるのですが、それは後ほどお話しします。

分離発注とは

 そして分離発注とは、請負をしている工務店と違う会社に特定の工事を依頼するとです。例えば、「知り合いにクロス屋さんがいるから、クロスだけそこに頼んであげてもいいですか?」といった感じです。はなはだしい時には、ご本人が業者さんだったりして、それは断る余地が全くありませんけどね(笑)。

 分離発注にはこのように身内などの知り合いに頼んであげたいという動機と、どうせ工務店も下請けを使うのであれば、直接頼んだほうが安くなるかもという動機があります。残念ながらこの場合、直接頼んでも安くなるかどうかは微妙です。なぜならば、それぞれの専門業者さんがたとえ知り合いであったとしても、一見のお客様と常連様である工務店を同じように扱うことはないからです。
 
 例えば、家電屋さんでエアコンを買うのでも2台目は半額なんていうサービスもあります。たった2台目でも半額です、それぐらい数は力です。一生のうちに2回目の依頼があるのかないのかわからない知り合いよりも、毎月のように何件か仕事が出てくる工務店のほうを安くするのはあたりまえです。見積もりや請求の手間も全く違うからいっそうです。すると、段取りをする工務店が普通に必要な利益をとっても、金額的にはたいして変わらないと言うか、下手したら安いことがあります。私も両方の立場で経験がありますが、本当に直接取引よりもワンクッションおいて常連さんに頼むほうが安いことは珍しくありません。簡単な例を一つあげると、メーカー品の建材など私たちは何%OFFなんていう売り方をしておりますが、私たちも販売店から買うからそれができるんです。もしメーカーに直接売ってくれと頼むと、定価でしか買うことができないんです。

 その意味では分離発注は、お世話になっているあの人に頼んであげたいという気持ちであれば問題ないと思いますが、どれだけ安くなるかという考えであればかなり微妙な方法だと思います。

施主支給のメリット  

 施主支給のメリットとしては、やはりコストを低くすることができるということと、海外からの個人輸入など、工務店が取り扱っている商品の枠を超えて、色々なものを使うことができるということです。思い出の品や中古品・アウトレット品なども選択肢に入ってきます。こだわりの多い方にはワクワクするような想いがあるかと思います。

施主支給のデメリット   
 施主支給のデメリットとしては、やはり手間がかかるということとリスクがあるということです。リスクにも二つあって一つは、購入時のリスク、いわゆる誤発注などです。実はもう一つのリスクのほうが大きな問題で、それはアフターのリスクです。

 例えば、施主支給の設備を取り付けて、使用中に何かの不具合が発生した場合、それがその商品自体に問題があるのか、それとも施工方法に問題があったのかと、問題や責任の所在をはっきりとさせることができないケースが少なくないんです。むしろできないケースの方が多いと思います。この場合、どちらも責任が取りにくくなることが難しいところです。

施主支給に向くもの 

 最後に、施主支給に向くものと向かないものについてお話しします。施主支給に向くものとしては、やはりネットでしか購入できないものにトドメをさします。工務店に流通ルートがなく、ネットでしか購入できないものは、お客様が買っても工務店が買っても同じ仕入れ価格になるので、扱いが難しく、工務店がサービスでやってあげるか、またはけっこう高額になってしまうか、サジ加減が難しいんです。ちなみに私はネットでしか買えないものは、お客様に自分で買っていただくようにしています。

 買い方ではなくモノで言いますと、簡単に交換できるような水廻りのアクセサリーなど小物が向いてるかと思います。例えば、タオル掛けやトイレットペーパーホルダーなどですが、照明器具なんかも向いていると思います。

施主支給に向かないもの

 施主支給に向かないものとしては、構造や外装にからむもの、言い換えると新築の10年保証にからむようなものはやめておくべきだと思います。めったにないことだと思いますが、柱とか瓦とか外壁とかですね。

 そしてこれは施主支給によくあるパターンですが、システムキッチンやシステムバス、内装建具などもあまりおすすめできません。デメリットの説明の時にお話ししたように、問題のあった時に対応が難しいからです。住み始めてからのメンテナンスに安心しようと思ったら、私は工務店に一括しておまかせするのがいいかとと思います。

 思いっ切りざっくりまとめると、大物は施主支給には向かないと思われます。施主支給に向くのは小物です。でも、小物の節約でいくら浮くかと考えると、つまるところ施主支給は金額のためではなく自分のこだわりのためにすることかなとは感じます。

 もう少し、詳しく話してみました。

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