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建築年度で推定する耐震強度の時間

昭和56年5月以前の建物は壁量が少ない可能性がある    
 まず最初の線引きで覚えていただきたいのは、昭和56年6月です。この昭和56年6月以降の基準を「新耐震基準」と言います。昭和56年5月以前の基準を「旧耐震基準」と言って完全に区別しています。奈良市の耐震補強工事の補助金も旧耐震が条件ですから、昭和56年6月以降の建物は補助金を受けることができません。

 大きな変更点は重い建物の場合、木造住宅の生命線とも言える必要な壁量が38%も増えていることです。その壁量の基準はいまも変わっていません。ざっくり言うと、昭和56年5月以前の建物は現在の建物と比較して壁量が40%ほど少ない可能性があるということです。ちなみに完成ではなくて建築確認のタイミングですから要注意です。完成が昭和56年8月だから安心だと思っていたら実は建築確認は4月に取得していて旧耐震だったということもあります。誤解のないように念を押しますと、旧耐震基準当時の建物は必ず壁量が少ないわけではありません。工務店によって基準以上の建築をされているところもあるからです。

平成12年5月以前の建物は壁のバランスが悪いか柱の接合方法が弱い可能性がある  

 新耐震基準でも決して安心なわけではなく、次に覚えていただきたい線引きが平成12年6月です。これが最後の法改正なのでこれ以降に建築確認を取得した建物は「現耐震基準」といって耐震強度には問題が無いと考えられます。この時の法改正では、従来は量しか考えてこなかった壁量をバランスも考慮しなくてはならなくなりました。バランスというのはたてと横、そして全体の壁の配置です。また、柱を土台や梁に金物を使ってとめないといけなくなりました。平成12年5月以前に建築確認を取得した建物は、壁の量は足りていてもバランスが悪かったり、大地震の時に柱が抜けることにより倒壊する可能性があります。

 またこの現耐震規準では地盤調査も事実上義務化されて、地体力に合わせた基礎仕様を選択することになりました、この結果、不同沈下などのトラブルも大きく減少しました。

熊本地震でも建築年度で被害が分かれた   

 2016年の熊本地震では、建築年度による被害の違いがはっきりと示されました。たった三日間の間に震度7が2回、震度6強が2回、震度6弱を3回も記録した国内観測史上最大の地震です。この時の住宅の被害は全壊が3820棟におよびましたが、建築年度から考えると、昭和56年5月以前の旧耐震基準の建物は28.2%が倒壊、昭和56年6月以降の新耐震基準の建物でも8.7%が倒壊、平成12年6月以降の現耐震基準の建物は2.2%しか倒壊しなかったと明暗が分かれました。

 確かに構造のことのみではなく、老朽化という側面もあるのは間違いありませんが、はやり耐震基準の違いによる構造の強度の差が出たものだと考えられます。

ぜひ耐震診断を   
 建築基準法というのはあくまでも最低限度これ以上の建物にしてくださいというルールです。当然、お施主様や工務店の意向によって、その時代のルールよりもよほどしっかりした建築をされているところもたくさんあります。でも、平成12年5月以前に建築確認を取得されている建物については、経験やノウハウのある工務店で耐震診断をすることがおすすめです。

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