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客商売の基本

最近、私の足が遠のいた店があります。本屋さんです。なぜ、遠のいたかというと、いつも会話する女性店員がいなくなったからです。彼女は大学生でアルバイトをしていたので、卒業になる昨年の4月から会えなくなりました。

会話をするようになったきっかけは、私のまとめ買いです。私は本屋さんにいくと、たいていは5~6冊、ちょっと気分が乗ると、10冊以上一度に買います。彼女はそれを覚えていて、レジに並ぶたび、「いつもありがとうございます」と声をかけてくれる様になり、そのうち店内で顔を見かけても世間話をするようになりました。

私は彼女と、ほんの少しの会話をするのが楽しみで、あまり他の本屋さんでは、まとめて買うことは少なくなりました。でも、彼女が大学4年でもうすぐ会えなくなることは、1年ぐらい前からわかっていました。

いまでも、その本屋さんで本を買うときには、いないことがわかっているのに、つい彼女の影をさがす自分に気付き、一人で苦笑します。彼女がいないその本屋さんでは、誰も私のことを覚えていません。少なくとも、声をかけてはくれません。お得意様なのに・・・。自然と、足が遠のくようになりました。

最近は近所にできた本屋さんに通うのですが、ここでも私のことを誰も覚えられません。私が店員であれば、絶対彼女のように声をかけるだろうなと思います。そんな時には、どこの本屋さんで買っていても彼女のことを思いだすのです。
「こんにちは、いつもありがとうございます」
これだけの言葉が幸せでした。

このことを考えると、つい私の会社はどうなのかということを考えてしまいます。私一人の頃は問題なかったのですが、社員が増えた現在では、お得意のお客様から電話がかかってきても、すぐに気のきいた挨拶ができるかというと、疑問が残ります。きっと、当社のお客様は私が本屋さんで使うよりもたくさんのお金を使ってくれているはずです。考えれば、重大な問題です。

これを読んで、勝手に顧客台帳の勉強を始めることができる社員は、きっと自然と彼女のような接客ができているのでしょうが・・・。さて、どんなものでしょう。建築のことばかりいくら詳しくなっても、一流にはなれません。

一流になれないと生き残れません。昨日も近隣の同業者倒産の一報を聞きました。今年4件目の訃報です。南無三。

PS 「あの娘(こ)がいなくなって、あの本屋さんも楽しくなくなった」と妻に言うと、「また、さがしたら」などと言います。何か違う!

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こんにちは、吉信秀樹です。
今日の書き出しを読んで、色々と想像した人、それを下衆のかんぐりといいます(笑)。妻は「彼女をつくってもいいよ」と言いますし、私も聖人君子ではありませんが、残念ながら、そんなに器用な男ではないようです(微笑)。
では、またお会いしましょう!

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