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信任の重み

前回の日記で書いたお客様のところへ、マンション売却の相談にうかがった。最初は不動産屋さんを紹介して、久しぶりにお客様とおしゃべりするぐらいの軽い気持ちだったが、意外に重い荷物をかかえることになった。

このお客様はKさんとおっしゃる、現在87歳だ。7年前にはじめてご縁ができてから、もう8度も工事をさせていただいた。7年前の工事の際は、私もまだ一人親方で一日中現場で働いていたので、毎日、顔を合わせおしゃべりしていたが、決まって、夜、お風呂をあがるころになると「社長さんとしゃべりたくなって・・・」と毎晩のようにお電話をいただいた。妻が「恋人みたい」とよく笑っていた。

不幸なことに、息子さんをガンで亡くされ、息子さんの住まれていたマンションを自分が元気なうちに処分したいという。「値段はいくらでもいいですねん」「リフォームも好きにやってください」「全部まかせますから、おたくのいいようにやってください」とのこと。

これは、非常に重い言葉だ。私が悪意を持てば、どんな取引でも成立してしまう。少し解説すると、私が安く買って適正価格で売りさばくことも可能だし、高いリフォーム工事を押し付けることも可能である。しかし、なんて無防備な・・・。これは、私もふんどしを締めなおさねばなるまい。

帰り道、不動産屋さんと相談した。

「あそこ、リフォームするべきやと思う?」
「あんまり、お金かけたらあかんでしょう」
「そうやな、最低限のことにせなあかんな」
「きれいになっても、いくらものせられないですよ」
「うん、あそこまで信頼された以上、うちも誠意で応えんといかん。全くさわらんと売りに出すのと、最低限、きれいにするのとどっちが有利やと思う?」



もちろん私は、Kさんにとって一番良い方法を目指すことになるが、私にとってもそれが一番良いと信じている。目先のお金なんぞ、いくら稼いでも私の心がけが悪ければそのうち無くなる。それよりも、男、吉信の気持ちを大切にした方が、自分も周りも幸せになれるのではないか。最近、特にそう思う。
正直なところ、お金で仕事をしたこともあるが、あまり幸せではなかった。今回は、自分の性根を確認することができて、ありがたいお話だった。

私はKさんには、とても感謝しているが、また感謝せねばならぬことになった。これを世の中に返したい。

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こんにちは、吉信秀樹です。
もともと、うちの娘はおとうさんっ子でしたが、最近ターボがかかってきました。よく「娘は母親につく」と言いますが、いつか、うちも世間並みになるのでしょうか。いま、奇跡のような時間を過ごしています。
では、またお会いしましょう!

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