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新潟中越沖地震ボランティア

先に書いたとおり、今回は葛藤があったのだが、どうしても行きたくて、ジュンと一緒に行ってきた。新潟は思ったより近く感じられた。

今回もボランティア先での住民の方とのコミュニケーションでも、色々と感じるところがあったが、それよりも偶然、同宿となった方々との会話が、とても印象に残った。

夕食時、隣で食事をされていた8名のグループがとてもにぎやかだった。しばらく気にせず食事をしていたが、いやでも会話が耳に入り、気が付けば聞きなれた業界用語や過去の震災との違いなどを熱心に話されていたので、つい、目の前のジュンをほっといて聞き耳をたてていた。

どうしても、お話ししたくなり、盛り上がっていらっしゃったので気はひけたが、先方も珍客を受け入れてくれるだろうと判断し、途中で割って入った。最初は少し驚かれていたが、こちらの素性を話すと、打ち解けて色々な話をしてくださった。
聞くと、被災建築物危険度判定士の方々で、震災以後一週間泊り込みで仕事をしているという。被災物件を調査し、能登半島でも見た赤紙や黄紙を貼る責任のある仕事をされていらっしゃる。不謹慎ながら、私は心が躍り、矢継ぎ早に質問をあびせた。いずれも丁寧にお答えいただき、とても有益だったので感謝している。

その中でとても印象に残ったのが、強度が一定以下の建物が倒壊にいたるかどうかに大きな運があるという。
耐震診断をお受けになった方はご存知だと思うが、耐震診断の際、壁量はX方向とY方向(簡単に言うと、たてと横)に分けて計算される。商店街などでよく見かける間口が全面ガラスのうなぎの寝床のような間取りは、非常に地震に弱いとされるが、それが地震の揺れる方向によって、T字型やL型で店舗が並んでいる場合、割りにはっきり被害の大きい方向と少ない方向に分かれるという。
もう少し詳しく言うと、ある商店街で東西方向に並んでいる店舗が連続して壁量不足で倒れているような場合、南北方向に間口が並ぶ店舗は被害が少ない、ということだ。

これは、うなった。理屈で考えると当たり前なのだが、これまで、揺れる方向による運・不運ということを強く意識したことがなかった。少なくとも、今回柏崎で最も被害の大きかったエリアではその傾向が見られた。
能登の門前町の記憶をたどると、多少割引しないといけないと思うが、その傾向は否定できない。
私は、「運」については一家言持っているが、自分が職業にしている建物が倒壊するか否かについて、運を考えたことはなかった。しかし、いずれにしても、建物の強度が一定以上であれば、運は関係なくなるので、やはり、自衛が一番だと思うが、体と同じで病気になるまで気を付けない。

他にも興味深いお話をしていただいたが、きりがないので今日はこのへんにさせていただきたい。

宿のおかみさんに、「ご立派なことで・・・」と言われ、「いや、自分の勉強目的もあるから、別に立派じゃないんですよ。かえって少しぐらいお手伝いするだけで、色々見たり聞いたりして、土地の方には申し訳ない気もしています。」と答えたところ、
「それも必要なことなんでしょう、どんどんやってください」と言っていただき、ずいぶん心の重石がとれた瞬間だった。

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こんにちは、吉信秀樹です。
今回の新潟遠征でも色々学びましたが、もう一つ、今回わかったことがあります。ジュンの将棋はヘボ将棋。口ほどにもありませんでした(微笑)。
それにしても、越後の田んぼの緑は美しかった!
では、またお会いしましょう!

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