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大工あがりの吉信社長が人生観を語るブログ

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2025.01.18

人の行動には思いもよらぬほど深い根があることもあります

 私どもの仕事は時としてお客様のご家庭内の事情をおうかがいすることがあります。もちろん、口外することなどはありませんが、今回は印象深いお話だったので、簡単に紹介させていただこうと思います。

 引き戸が壊れたとのことでお客様よりご相談を受けました。10年来のお客様です。上吊りの引戸の戸当たり部分が一部破損しているのですが、下部にも戸当たりがあり、特に開け閉めには支障がない状態です。松下電工製のものですから2008年以前の商品なので、すでに部品もありません。

「おそらくですが、もう部品もないと思いますよ。調べはします」
「ドアごと交換ってなったら大層ですよね?」
「開け閉めには問題がありませんし、このままでもいいんじゃないですか?」
「普通に使ってたらいいんですけど、激しく開け閉めしたら、この前も扉が外れたんです」
「えっ、これが外れるほど激しく開けることってあります?」

 奥様が声をひそめて曰く、ご主人と社会人の娘さんが時々ケンカになって、その時に激しく開け閉めするとのこと。

「普段はどっちもおとなしい人間なんですが・・・」
私もご主人は何度もお話させていただいており、存じております。私の印象では温厚なイメージしかありません。

 なんでも、ご主人は仕事から帰ってくると、すぐにお風呂に入りたいそうなんです。わかります、私もそうなんです。帰ってきたらすぐに入りたいです。特に夏や冬は。

 ご主人が帰宅された時に娘さんがお風呂に入っていらっしゃると、「早くあがれ」という話になって、10分、20分も待たされると、まだ脱衣場にいるタイミングで「まだか!」とドアを開けようとして、お互いに力づくで開けようとする閉めようとするで、激しい動きになり部品が壊れていくとのこと。

 う~ん、これでケンカされると奥様も板挟みで大変です。おそらくですが、ご主人が子どもの頃はお父さんがお風呂に入る前は誰もお風呂に入らなかったんじゃないですかね。昔はそんな家も多かった。うちも一番風呂は常に父でしたし、母は最後まで入りませんでした。

 時代が変わったんです。昔は子どもが親に合わせましたが、現在(いま)は親が子どもに合わせています。過渡期の私たちは合わせてばかり(笑)。私が思うにはあの温厚なご主人がそのような行動に出るのは、おそらくその時代の変化の理不尽さを、ご自身の中で消化しきれていないのではないか。お酒でも飲んで「わかりますよ」と一言、言ってさしあげたい。

 私も1時間ぐらい待たんといかんことは少なくないので、くれぐれもお気持ちはよくわかるのですが、それでケンカしても自分も家族も面白くないのに、気持ちがままならないというのはお気の毒なことだなと、少し胸が痛みました。

 ちなみに私は我を通してもめるよりも、自分が我慢して平和なほうが落ち着くので、おとなしく待つようにしています(微笑)。

PS いま、書いてて思ったのですが、仕事も全く同じですね。お客様から少々無理なリクエストがあっても、争ってお金を残すよりも、やってあげたほうが気が楽なのでそうしています。うちはいいお客様が多いのでめったにそんなことはありませんけどね。

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 こんにちは、吉信秀樹です。
照ノ富士が引退しました。大関から序二段にまで落ちて、そこから横綱まで駆け上がるストーリーは角界の宝物ですね。引き際もいさぎのいい感じで好感が持てました。照ノ富士関!お疲れさまでした。素晴らしい物語をありがとうございました。
 では、またお会いしましょう!

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