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2021.06.20

住宅ローンは損得ではなく安全を考える

 仕事柄、年中、住宅ローンについての個人的な相談を受けます。たいていの方は損得を考えてしまうのですが、本来は安全を考えるべきものだと思います。住宅ローンで損得を考える時、つい、借り方で支払金利を圧縮しようとしてしまいます。実はこれがけっこう危険です。金利の安い住宅ローンをさがすのは賛成ですが、借り方としては金利がかかる借り方のほうが安全だというお話をします。

貯金は頭金に使い切らずに残しておく  

 借り方で金利を圧縮しようとすると、普通は真っ先に考えるのが頭金を出せるだけだして、少しでも借入金額を少なくしようとすることです。そして手元にキャッシュをほとんど残すことなく住宅ローンを組んだりします。これは危険です。人生は長いんです。どんなことが起こるかわかりません。大きな病気をするかもしれませんし、思わぬ事故のような出費を余儀なくされることもあるかもしれません。

 そんな時にもし手元にお金が無かったら、家を売るしか方法がなくなっているかもしれません。現実問題としてこういったケースは珍しいことではなく「住宅ローン難民」と言います。ネットで検索してみてください、いっぱい出てきます。これは悲劇です。特にいまはコロナの影響で増えていると言います。

 やはり「もしも」の時に生活を守る程度のお金は残して住宅ローンを組むべきであって、金利の支払いを少なくするために頭金に使い切ってしまうというのはとても危険なことだとご理解ください。

できるだけ最長の住宅ローンを組む
 
 金利を抑えようと思うと次に考えるのが、借入期間を短くすることです。例えば3000万円を現在のフラット35の金利1.32%で35年で借りると金利の支払いは7477928円になります。もしこれを25年に短縮すると金利の支払いは5238105円となり約224万円節約できることになります。

 しかし、これも危険です。借入期間を短くするということは月々の返済金額が大きくなることを意味します。このケースの場合、35年であれば月々89233円の返済でいいところが、25年になると117460円も返さないといけなくなり、その差額は28227円です。この28000ほどの差が借りる時には確かに大丈夫だと思える状況であったとしても、5年後10年後には事情が変わっているかもしれません。
 
 借りる時には金利を気にせずに、まず最長の期間で住宅ローンを組んで、本当に生活にゆとりが出たり子どもが巣立ったり、いよいよ大丈夫かなと判断できるようになってから繰り上げ返済を考えればいいのです。
 
 住宅ローンに限らず借金というものは、「思ったより余裕ができたから早く返します」というのは簡単な手続きで済むのですが、その反対に「苦しくなったから返済を猶予して欲しい」といういわゆる「リスケ」のリクエストは簡単にはいかないのです。

繰上げ返済は慎重に

 そして金利負担を軽くするためによくされることが繰り上げ返済です。これは昔から賢い家計管理としてよく勧められてきた手法なのですが、やはり慎重に考えていただきたいと思います。考え方は頭金と同じです。万一のことが起こった時のために最低限おいておきたい現金まで繰り上げ返済に使ってしまうことはやはり危険です。

金利は安全のための必要コスト

 もう、おわかりいただけたかと思います。金利というのは「安全のための必要コスト」なのです。いつまでも幸せに暮らすことが最優先です。それは自動車保険のようなものです。自動車保険をかけずに車に乗る人はほとんどいないと思いますし、そこで安い自動車保険をさがすのはいいと思うのですが、対象年齢や保険金額など契約の内容で保険料を下げようとするのは危険です。必要な時に必要な補償が受けられなくなる可能性があるからです。同様に金利の低い住宅ローンをさがすのはいいと思いますが、借り方で金利の支払いを減らそうとするのは危険ですよと申し上げます。

https://www.youtube.com/watch?v=01U4dDAE4Jc

 

 

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